2018年07月20日

かこさとしのひみつ展〜だるまちゃんとさがしにいこう〜

ゆっくり静かに見たかったから

夏休みが始まる前に
子供達が押し寄せる前に
ギリギリセーフで行ってきました

「かこさとしのひみつ展〜だるまちゃんと探しにいこう〜」
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「だるまちゃんとてんぐちゃん」のだるまちゃんシリーズや
「からすのパンやさん」をはじめとする、からすのシリーズなど
子供時代に、加古里子さんの絵本を見た人は多いのではないでしょうか

子供時代には、ワクワクしながら緻密に描かれたパンやお花に胸ときめかせ
大人になった今読み返しても、絵の素晴らしさはもちろん、からすの親子、だるまの親子の愛情に
涙ぐみたくなるような

その加古里子さんの世界にどっぷり浸かってきました。ああ。幸せ

物語と絵で、たくさんの子供の心を鷲掴みにした加古さんでありますが
加古さんが子供の頃、日本はずっと戦争をしていて
大学生の頃に、敗戦
たくさんの友人を戦争で失い
また、自分自身も戦争に協力していたことを思い悩み
「もともと戦争は反対だったんだ」という、手のひらを返した大人の態度に絶望して
生きる意味を失います

やがて、セツルメントという活動に出会い、川崎の子供達に紙芝居の読み聞かせや、絵の描き方を教えていくなかで
子供達のために生きようと決意されます
そうしてたくさんの絵本が出版され
今年5月に92歳で亡くなるまで、描き続けられた加古さん

「戦争で、友人は皆死んでしまったのに、自分だけ生き残ってしまった…」という深い悲しみ
生きる希望を失ってしまったのちに見つけた「子供のために」

彼が描く子供たちや、だるまちゃん、からすちゃんが、全く色褪せることなく
時代が変わっても輝いているのは、絵の技術だけでなく
この加古さんの確固たる想いが、込められているからなのですね

その愛情の深さ、大きさ
それを、かつては「だるまちゃん」(←加古さんの言う「子供」のこと)だった私は、その時は、当たり前のように読み
そして、大きくなった今、激しく大きな感謝を持って、だるまちゃんを眺めます

「人間は病気になったり、落ち込んだ気分の時にはおいしいと感じることができません。
絵から、おいしそうと感じるのは、あなたが健やかである証でもあるのです。」

という説明の下のエビフライの絵
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出版された絵本の中には、たくさんの食べ物が描かれていますが
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それも、戦争で貧しい時代を過ごした加古さんだからこそ
子供達にはたくさん美味しいものを食べて欲しい

そこには、私は、戦争を経験して辛い思いをした。だからあんた達は感謝して食べなさい!といった、押し付けは微塵もなく

ただ、ただ、子供達が幸せであって欲しい。その願いが込められていて
りんごや、かぶの表情を見るだけで、泣きそうになりました

「だんめんず」シリーズの緻密な絵
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ご自身で、調べて、見て、わからないところは専門家に聞いて
とことん研究してから絵にする
その膨大なエネルギーを感じます

(「だんめんず」をパッと見「だめんず」と読んでしまったところが、だるまちゃん時代でなくなった証拠。涙)

子供のためと言われていますが、子供だけじゃない。大人だって読みたいものばかり

最後の挨拶には、著書「未来のだるまちゃんへ」の中の言葉
生きるということは、本当は、喜びです。
生きていくというのは、本当は、とても、うんと面白いこと楽しいことです
。(略)」

最後の加古さんの願いまで読んで、涙を抑えることが出来ませんでした

本当は」喜び
本当は」とても、うんと面白い

「本当は」が入ること
ここに、加古さんの想いの強さを感じました

こんなにも、優しい
こんなにも大きな愛
私たちは、それを読んで、大きくなった
このことに感謝出来るのは、私が大人になったから

出口に、加古さんへメッセージを書くカードがありました
どれだけだるまちゃんに憧れ
からすのパンやさんのパンを食べたいと思ったことでしょう
ありがとうございました
心を込めて書きました

心を込めて描くこと
思いは絵に乗って必ず届くこと
絵だけでなく、生きて表現する全ては「愛」だけでいい
そうして私は生きていきます

加古里子さん。どうか安らかに
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大人になった、かつてのだるまちゃんこそ見に行くべし!
「かこさとしのひみつ展〜だるまちゃんとさがしにいこう〜」
川崎市民ミュージアム
7月7日(土)〜9月9日(日)

(館内にカフェがないのだけが残念!)
posted by オリド マキ at 17:19| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする